「し、《心理》っ……」
伸ばした手は春日さんに掴まれる。
「りんはこっち」
「ぇ、あ……」
気が逸れた内に近くまで来ていたらしい。
あっという間にまるごと包み込まれた。彼の懐にすっぽり収まる。
「いやっ、離してください春日さんっ……《心理》が、っ」
「大丈夫。殺しはしないよ。引き留めてるだけ」
そういう問題じゃないのにっ……。
「急所避けてんじゃねーよ。次はねーからな」
「っ……! あんたは全部見えてんだっ……」
壁に背中を打ち付けながらも、《心理》は弾丸を放った。
間一髪で避けた百鬼さんの頬を掠める。赤い液体が溢れ出す。避けたときの重心に身を任せ、拳を振りかぶった。
だめ、だめ。やめてやめてやめて……。
「“やめて”っ……!」
心からの訴えだった。
完全に動きを止めたのは百鬼さんだけ。《心理》はわたしの方へ向きを変える。
わたしを取り返そうと春日さんに向かって走る《心理》。
──そんな彼の周りを、突如銃が囲んだ。
上から降ってきたてきたガタイの良い男達、三人。
少しでも動けば命はないことが、目に見えてはっきりしていた。
《心理》もそれを理解して、固まった状態のまま動かない。



