排他的に支配しろ




「──りん」




 背中に飛んできた、愛しい人の声。

 たった一言、名前を呼ばれただけで、ぶわっと全ての苦しみが吹き飛ぶ。

 その人のことしか考えられなくなる。


 う、そ……。

 どうしていつも、現状を受け入れようとしたときに来ちゃうの。



「っな……、なんで、誰の意識も感じなかったはず、」



 《心理》は狼狽えている。

 やっぱり、春日さんに超能力は効かないんだ……。



「も~、いつまで家出してんの? りん不足すぎて一晩でこりごりなんだけど」


「き、“来ちゃだめです”っ……!」



 こちらに進む春日さんの足は止まらない。

 あ、あ……、来ないで。

 《心理》が拳銃を取り出している。
 

 昨夜、あのベッドで何度寝たって、気持ちは変わらないって確信してしまった。

 だから無理矢理にでも、そういう状況にしてしまえばって、思ったのに……。


 やっぱりわたし、外に出たくないよ。


 友達になれてない人がいる。

 約束を守らなきゃいけない人もいるし、自分で決断することを教えてくれた人達にお礼をいわないといけない。

 なにより、



 ──春日さんに、まだ好きって言えてない。