大きく息を吸った。
いつもみたいにマイク越しじゃないから、たくさん声を張り上げないと。
「“誰にも言わないで”、“帰ってください”」
勝機に染まっていた相手から、すっと熱が消える。
一人……また一人と、無言でその場を離れていく。
気付けば誰もいなくなっていた。
わたしがこうあってほしいと、わたしだけの判断で行った“命令”。
人の思考を乗っ取る自分が、恐ろしく見えた。
「《支配》、進もう」
《心理》は明るくわたしの手を引っ張る。
繋がった手のひらから、《心理》の高ぶった熱が伝わってくる。
この先を抜ければ、もうすぐ終わりだ。
わたし達は、自由になれる。



