「反省した?」
「はい、すみません……」
「うん、じゃあいいよ」
えっ、と顔を上げてみれば、にこやかな春日さんがいる。
「りん」
「……!」
呼ばれた名前は、まるで甘い毒のように。
じわ……胸の奥に、広がっていく感覚がした。
「りんさあ……どんだけ嬉しそうな顔してるか、わかってる?」
「そ、そんな。……無意識でした」
「はは、可愛いとこあんね」
またドッと胸が騒ぎ出す。
さっきから、ずっと忙しい。
「結局呼んじゃった。失敗かどうかわかんなくなっちゃったね」
「……そう、ですね」
限りなく失敗に近い例なのに、なぜか言い出せなかった。
名前を呼ばれた時点で、わたしにとっては成功……だったから。
わたしは自分の私利私欲を優先する、悪い人だ。
「まぁ、また仕掛けていいよ」
「……考えておきます」
次、春日さんにしてもらいたいことはなんだろう……。



