「ごめん……わたし何もわかってなくて……。みんなの話をもっと聞いていれば、防げたかもしれないのに……」
後悔しても戻らない。
離れないように手の力を強める。《心理》も同じくらい握り返してきた。
「……いや、変わらなくていいんだ。自ら望んで自爆したようなものだから」
「やったのは、誰なの……?」
「実行犯は《正義》。手伝ったのは《破損》と《献身》。おれは話だけ聞いて、研究員の動向を教えたり、巻き込まれたくないキョウダイに内容を伝えたりしてた」
「っ……わたし、何も知らない……」
「ごめん、おれが言わないようにしてた。《支配》は絶対止めたがると思って……」
そんな……。
止められたくないほどに、先生達への憎しみを大きくしていたんだ。
「“僕らに死より確実な自由はない。生まれた時点で地獄だった”──。あの《正義》がそう言ってたんだ。おれは、間違ったことはしてないって感じてる」
《正義》は、すごく温厚な性格をしていて、優しい子だった。
直感的に最適解を導ける能力を持った彼が言うのなら、正解と言っても……いいのかな。



