たぶん、勝手に一人で来たんだ。
百鬼さんから場所の情報だけを読み取って。
「なんですか、あなたは……!」
光峰さんが大声をあげる。未だわたしの“命令”のせいで立ち止まったまま。
わたしがこの場から離れないと解けないだろう。
「あんたが何?」
《心理》から笑顔が消える。
さっとわたしの前に出た、そのとき。
──パァン!
耳をつんざく銃声が響く。
「っ──!」
苦しそうに表情を歪ませた光峰さんの足元から、じわりと赤黒いシミが広がった。
あ……、だめだ。この子を春日さんに会わせるわけにいかない。
だって、全然、銃を撃つことに躊躇もしなかった。
この街に順応するために、《心理》が得た方法なのかもしれない。
「臨さん、離れて……っ」
二人の銃が顔を会わせる。
光峰さんの方はわたしの存在が邪魔になっているようで、撃ちづらそうしているのが感じられた。
「生き別れたキョウダイが感動の再会をしてるっていうのに、邪魔するんだ?」
彼は危険だ。春日さんが帰ってこない今の内に、ここから遠ざけないと。
家に上がろうとする《心理》を必死に食い止める。



