排他的に支配しろ






「ようこそ、南蜘蛛様」



 百鬼(なきり) 天鳳(てんほう)。百鬼会のボス。

 冷酷無情、死人は無機物。

 実の息子を任務を遂行できなかったからという理由で百鬼会から除名した、極悪人。



「はは、南蜘蛛様って。思ってもいないのにへりくだるのはやめてくださいよ」

「そうもいかない。キミに構っている時間は我々にとって無駄だが、キミが南蜘蛛様なのに変わりはないだろう?」



 手短に済ませろということだ。

 特別な南蜘蛛家と契約したのにも関わらず、管理人が俺だとなれば煙たがるのは必然。

 昨夜連絡して強引に取り付けた約束なら尚更。

 なるべく関わりたくなさそうな空気は察している。ただ、俺はどうしても彼にお願いしないといけないことがあった。



「一抹製薬が作った子供についてです。コードネーム《支配》、彼女を俺が保護しています」



 黒い椅子に腰掛ける彼の、切れ長の目が俺を見据える。



「ほう。そうか、自分の力で隠れているわけではなかったか」

「捜しているんじゃないんですか?」

「確かに捜していたさ。今居場所がわかったな。キミはその報告がしたくて来たのかな?」