side春日
✦
✦
──南蜘蛛家の人間は、何事にも一流だ。
わざわざ刷り込む必要もない、血が流れる以上決定された『当たり前』。
特別扱いされる、当たり前。
失敗をしない、当たり前。
人の上に立つ、当たり前。
当たり前すぎて、気にも留めないようなこと。
それが、俺にだけは適用しなかった。
俺だけが、南蜘蛛家で平凡な人間として生まれた。
コンビニで売っているような、手頃なものが好き。
人の上に立つよりも、遠くで傍観している方が性に合っている。
人助けはするけど、根本的な問題解決に導くのは俺じゃなくてもいい。
異端な自分を自覚するたび、劣等感が襲うのに。
なにより、一番辛いのは、
『春日は面白いな。理解できることを、疑問にするなんて』
兄も。
『すごいわお兄様! どうやってこの問題を間違えたの!?』
妹も。
どうしてできないのか、という叱咤を行う家族は誰一人おらず──むしろ、無垢な羨望を浴びせる者ばかりだったこと。
南蜘蛛家にとってそれは、好奇心くすぐる未知なのだ。
✦
✦
──南蜘蛛家の人間は、何事にも一流だ。
わざわざ刷り込む必要もない、血が流れる以上決定された『当たり前』。
特別扱いされる、当たり前。
失敗をしない、当たり前。
人の上に立つ、当たり前。
当たり前すぎて、気にも留めないようなこと。
それが、俺にだけは適用しなかった。
俺だけが、南蜘蛛家で平凡な人間として生まれた。
コンビニで売っているような、手頃なものが好き。
人の上に立つよりも、遠くで傍観している方が性に合っている。
人助けはするけど、根本的な問題解決に導くのは俺じゃなくてもいい。
異端な自分を自覚するたび、劣等感が襲うのに。
なにより、一番辛いのは、
『春日は面白いな。理解できることを、疑問にするなんて』
兄も。
『すごいわお兄様! どうやってこの問題を間違えたの!?』
妹も。
どうしてできないのか、という叱咤を行う家族は誰一人おらず──むしろ、無垢な羨望を浴びせる者ばかりだったこと。
南蜘蛛家にとってそれは、好奇心くすぐる未知なのだ。



