排他的に支配しろ

side春日






 ──南蜘蛛家の人間は、何事にも一流だ。


 わざわざ刷り込む必要もない、血が流れる以上決定された『当たり前』。


 特別扱いされる、当たり前。

 失敗をしない、当たり前。

 人の上に立つ、当たり前。


 当たり前すぎて、気にも留めないようなこと。


 それが、俺にだけは適用しなかった。

 俺だけが、南蜘蛛家で平凡な人間として生まれた。


 コンビニで売っているような、手頃なものが好き。

 人の上に立つよりも、遠くで傍観している方が性に合っている。

 人助けはするけど、根本的な問題解決に導くのは俺じゃなくてもいい。


 異端な自分を自覚するたび、劣等感が襲うのに。

 なにより、一番辛いのは、



『春日は面白いな。理解できることを、疑問にするなんて』

 兄も。


『すごいわお兄様! どうやってこの問題を間違えたの!?』

 妹も。



 どうしてできないのか、という叱咤を行う家族は誰一人おらず──むしろ、無垢な羨望を浴びせる者ばかりだったこと。

 南蜘蛛家にとってそれは、好奇心くすぐる未知なのだ。