✦
✦
食事が喉を通らない。
でもせっかく光峰さんが作ってくれたものだから、残したくはなくて。春日さんが食べ終わる隣で、もたもたと箸を動かしていた。
「りん、食欲ない?」
しまった、春日さんが心配してしまう。
咄嗟に笑顔を取り繕い、言い訳を紡ぐ。
「あ、大丈夫ですよ。味わって食べていただけです」
「そっか。俺、ちょっと部屋行くね」
「はい、行ってらっしゃい」
どうしたらいいのかな……。
ふと顔を上げた先に、光峰さんがいた。春日さんが下げた食器を洗っている。
「あの、光峰さん……」
「はい」
「今日も美味しいです。いつもありがとうございます」
「……は、」
突然のことだから、驚かれるのは予想していた。
食欲がなかったとしても、味は確かだ。光峰さんが努力してきた結晶なのだろう。
わたしのことが気に入らないはずなのに、毎日わたしの分まで用意してくれていたのだ。
「急になんですか」
「なんですかね……なんか、言いたいなって」
感謝を伝えるなら今なのかなって、なんとなく思った。
✦
食事が喉を通らない。
でもせっかく光峰さんが作ってくれたものだから、残したくはなくて。春日さんが食べ終わる隣で、もたもたと箸を動かしていた。
「りん、食欲ない?」
しまった、春日さんが心配してしまう。
咄嗟に笑顔を取り繕い、言い訳を紡ぐ。
「あ、大丈夫ですよ。味わって食べていただけです」
「そっか。俺、ちょっと部屋行くね」
「はい、行ってらっしゃい」
どうしたらいいのかな……。
ふと顔を上げた先に、光峰さんがいた。春日さんが下げた食器を洗っている。
「あの、光峰さん……」
「はい」
「今日も美味しいです。いつもありがとうございます」
「……は、」
突然のことだから、驚かれるのは予想していた。
食欲がなかったとしても、味は確かだ。光峰さんが努力してきた結晶なのだろう。
わたしのことが気に入らないはずなのに、毎日わたしの分まで用意してくれていたのだ。
「急になんですか」
「なんですかね……なんか、言いたいなって」
感謝を伝えるなら今なのかなって、なんとなく思った。



