排他的に支配しろ





 食事が喉を通らない。

 でもせっかく光峰さんが作ってくれたものだから、残したくはなくて。春日さんが食べ終わる隣で、もたもたと箸を動かしていた。



「りん、食欲ない?」



 しまった、春日さんが心配してしまう。

 咄嗟に笑顔を取り繕い、言い訳を紡ぐ。



「あ、大丈夫ですよ。味わって食べていただけです」

「そっか。俺、ちょっと部屋行くね」

「はい、行ってらっしゃい」



 どうしたらいいのかな……。

 ふと顔を上げた先に、光峰さんがいた。春日さんが下げた食器を洗っている。



「あの、光峰さん……」

「はい」

「今日も美味しいです。いつもありがとうございます」

「……は、」



 突然のことだから、驚かれるのは予想していた。

 食欲がなかったとしても、味は確かだ。光峰さんが努力してきた結晶なのだろう。

 わたしのことが気に入らないはずなのに、毎日わたしの分まで用意してくれていたのだ。



「急になんですか」

「なんですかね……なんか、言いたいなって」



 感謝を伝えるなら今なのかなって、なんとなく思った。