「オレも春日さんには世話になったよ。でも重要なことはいつも自分で決めてきた。何か起こったとき、春日さんのせいにしたくなかったからな」
「……!」
「天竺は春日さんに引き渡す。ただ、天竺の腹の内は読めねェ。何があっても、オマエが責任取るんだよな?」
何が、って……。
嫌な予感がじわじわと侵食する。
相手は銃を持っていて、殺人経験があるのだ。
──春日さんが、殺されてしまう、とか?
そんな可能性を持つ人でも、本当に会いたいのだろうか。
わたしの“命令”はキョウダイに効かない。
そうなってしまったとき、もし止められなかったら……。
「春日さんは……、銃で撃たれたら死ぬんだよ。鈍器で殴られても死ぬし、首を絞められても、水に沈められても、火に焼かれても、……春日さんだけは、死ぬんだ」
春日さんだけは……?
当たり前のことのはずなのに、当たり前じゃないと訴えている風に感じる。
「死ぬから、殺しちゃダメなんだよ……あの人だけは」
わたしは、キョウダイと春日さん──どっちが大事?



