ここまで頑なだと、反論しようにもやりづらい。
百鬼さんも、言葉を詰まらせてしまっていた。
「……あぁ、ごめん。なんかね、上手く言葉を選べなくて」
「あ、いや、大丈夫……す」
空気が淀む。
「ん~……わざわざ来てくれたのにごめんね。また進捗あったら連絡してもらっていい?」
「は、はいッ」
「とりあえず、今日はお疲れ。ありがとね」
「お疲れ様でしたッ!」
百鬼さんが勢いよく椅子から立ち上がり、力強いお辞儀をする。
わたしの横を通って帰るとき、ボソッと耳打ちされた。
「ちょっと来い。春日さんは連れてくるな」
何かわたしにだけ言いたいことがあるらしい。
見送りしてきます、と春日さんに告げ、席を外した。
「天竺はたぶん、最初からオマエを捜してた」
「え……?」
「『家族と離ればなれになって、追いかけてきました』って、初めて会ったときに語ってたんだよ」
ガシガシと頭をかく百鬼さん。
「協力してやれたらって思ってた……が、春日さんには逆らえねーし、人殺しは許せねー……」
じゃあ、最初から百鬼さんはわかってて……?



