排他的に支配しろ





 その場所は簡単に言えば『超能力を研究するための施設』で。

 わたし達研究対象は一人の父から生まれた、異母キョウダイだ。

 生まれたときから研究に協力するのは当たり前のことで、疑問に思う余地などなかった。

 先生達もそのつもりだっただろう。


 しかし、能力開発の過程において真実に気付いていくキョウダイが一人、二人と増えていき……。



「あいつら、ウソついてる。おれ達を社会の役に立てたいなんて思ってない」


「ちっ、悪意がピリピリして痛えんだよクソが……」


「この研究所はなくなった方が僕らのためになるよ」



 彼らの言うことをまだ理解していなかったわたしは蚊帳の外となって。

 着実に何かが進んでいるのも知らずに。

 研究所が火の海となったのは、能力開発のため『神子』を名乗ったわたしが信奉者に会っていたときのこと。


 そこでようやく。

 わたしの目は覚めていったのだろう。


 事件を起こしたのは、キョウダイ達なのだと──悟ったのも、そのとき。