「まぁ、俺は大したことしてないけどね」
「春日さんが来てくれたから、助かったんです」
「……はは」
乾いた笑いが響く。
また自分を過小評価してる……。
この人は、自身が周りに及ぼす影響に関心がないのだろうか。
それとも、見て見ぬふりでもしているのか。
……。無理だ、直接は聞けない。
「えっと……午前中はどこに行ってらっしゃったんですか?」
当たり障りなさそうな話題でごまかした。
けれど、あっさり放たれた返事は、
「南蜘蛛の外だよ」
予想外のもので。
「……え?」
一瞬、思考が止まる。
だって……光峰さんから聞いた話と違う。
出られないって。出ようとするなら死ぬしかないって。そういう話じゃなかった?
「ここから出られるんですか……?」
「全ての物資を南蜘蛛で作れるわけじゃないしね。戻ってくるって条件付きで出られる人はいるかな」
「戻ってこなかったら……」
「うん、そりゃもちろん、」
ぐ、と人差し指を胸に押し込まれた。
「バーン」
茶化した様子だけれど、言いたいことは光峰さんと一緒だとわかる。



