でもこのまま言葉を飲み込んでしまえば、わたしが逃げた意味などなくなってしまうのではないだろうか。 「言いにくいなら、無理に聞かないけど」 「っい、いえ……!」 誰かに、伝えるべきだ。 決意して、息を吸う。 「──研究所が爆発して、全焼したんです」 イチマツPSI研究所──。 今はもう消えた……いや、もしかするとそもそも存在していなかった研究所。 箱庭に囚われていたわたし達の、唯一だった場所だ。