「・・・まだ遅れてきた生徒がいますか」


呆れたような様子でぼそっとこぼす先生。


「えー。でもみんな揃ってるぜ?
 遅れてきたのは沙月だけ」

「遅れてない!」


晄の言葉に否定する。


誤解されてはいけない。


私は間に合ったのだ。


そして、突然ドアからヒョイッと顔を出したのは・・・


「っ、教頭先生じゃーん!」


めったに顔を出さない、この学校一美人の教頭先生。


フワフワな黒髪をハーフアップにまとめていて、メイクもバッチリ。


心なしか教室の男子がざわめく。