網川君の彼女は、お値段の張る“ユーリョーブッケン”。


春夜はそのまま早退するらしく、保健室に残っていた。




――けど。


蘭ちゃんにはお見通しだったみたい。


多分、教室から引っ張り出された時点で何か感づいてた。



・・・ああ、後で全部話すのかなぁ。





――しかも。


なにはともあれ、首に痕をつけられずにすんだ私・・・


の、


鎖骨のちょっと下。


ブラウスをなおすときに鏡で見て、驚いた。



――噛み痕が、ハッキリ。


とりあえず人に見られるところは絶対に駄目だと思ったから消毒してもらったけど、多分これは1日じゃ消えないって濃さ。


それに、思い出す度に体温が上がるのは、絶対気のせいじゃない。


一人で赤くなって馬鹿みたいだ。

そうわかっていながらも恥ずかしくなってしまう自分がよくわからなくもある。