網川君の彼女は、お値段の張る“ユーリョーブッケン”。


気付けば拘束は解けていて。


多分今なら逃げられるけど、逃げようっていう気はなかった。


だって私は、さっきの出来事の衝撃をじわじわと実感していたから。






「―—これ以上、消毒嫌だって言うなら、」


春夜が私と目をあわせる。


再び、逆らえない恐怖のようなものが私を襲う。


彼は今度は、制服に隠れない首筋に唇をあてて、軽く触れるだけのキスをした。



「ここにも、つけるけど」


「・・・へ」