網川君の彼女は、お値段の張る“ユーリョーブッケン”。

「消毒・・・?」


「ちゃんと聞こえなかったか?消毒するぞ」


と言いながら、取り出しているのは本当に消毒液。


そう、あのシュワシュワする、正式な物質名は過酸化水素水なあれだ。




私の顔からさっと血の気が引く。


ちょっと待って。


「っやだ、」


とっさに立ち上がって逃げようとした。


「っ、待て」



でも簡単に腕を掴まれて、それでも諦めずにいたら。


「逃げるな」


「きゃっ・・・、」


掴まれた左腕をそのままぐいっと引っ張られて、座っていたベッドに背中から倒れ込んだ。


逆戻り・・・?