網川君の彼女は、お値段の張る“ユーリョーブッケン”。

「っつう・・・」



校則で決められているスカートの長さはちゃんと守っていても、怪我はするもの。



運悪く近くにあったポールにぶつかって、更に。


掲示物を貼ってある画鋲の端でふくらはぎを切ってしまった。


「――間もなく、6番線に停車中の電車が発車いたします。ご乗車の方は――・・・」


しかも、何という運の悪さ。


これを逃したら30分待ち。そして今日は委員会の朝活動というこの偶然の重なりよう。


私は痛みを我慢して、生まれて初めて駆け込み乗車を成功させてしまった・・・。