「それで真桜さん」

ニマニマを抑えきれない英恵さんが、私に顔を寄せて声を小さくする。

「実際鶴城くんとの生活はどうなんですの?」


…この学園は、変わってる。

その最たるものが、ペアになった執事とお嬢様は寮で同居する、というルール。

え!?男女で同居!?と一般庶民なら思いそうだけど、これがこの学園のルール。

執事は朝から晩までお嬢様のサポートをすることで、執事としての経験値を上げるんですってよ。

英恵さんの頭の中にはきっと、優しくて紳士な聖司くんが甲斐甲斐しく私の世話を焼く姿があるのだろうけど、実際は……。


「もしかして、裸なんか見ちゃったりなんかしてしまったのでは…!?」

キャッと顔を隠しながら言う英恵さんに私はニヤリとほくそ笑んだ。

「裸は今のところありませんが……パンツなら見ました」