「もー、聖司くんは評価が欲しいだけでしょー?別にいいじゃん一回ぐらい!…あっ、わかった!お土産に聖司くんの好きな温泉饅頭買ってきてあげるからさ!見逃して!ね?お願いっ!」

聖司くんがはぁ?と思い切り顔を顰める。

「それで行けるとお思いですか?」

たはーっ、やっぱダメかぁ~!うーん、手ぬぐいつけてもダメかなぁ~

「聖司くん聖司くん、とりあえず襟持つのやめてくんない?苦しい。そこもつのはさすがに見つかったら評価下がるんじゃないかな?」

それもそうだと思ったのか、聖司くんはまたため息をついて手を離した。

「お嬢様。何と言っても本日の来賓は大手アパレルメーカー会社の瑞穂氏や老舗洋菓子店の木村氏をはじめ業界ビッグの権力者が勢ぞろいなんです。ゴールドランクの私たちがプラチナランクに上がるために必要不可欠な……お嬢様、スカートをたくし上げてはいけません」

私はふにゃっと笑ってごまかして、一歩を踏み出した。

「とうっ」

「あっ!こら!」