元姫に溺れるほどの愛を

「澪…僕の澪になって…」

その言葉を聞いて私は理解してしまった

雅くんは私のことが好き

でも私の好きとは違う

異性としての好き

雅くんの顔を見る

彼は私を愛しげに見ていた

いつから…想ってくれてたんだろう

苦しい、それよりも悲しい

私のことが異性として好きだからこうやって会ったのだろうか

異性として好きじゃなかったら会ってくれなかった?

そう思えば雅くんへの信頼が消えてしまったような感覚に陥る

「雅くん…とは一緒にいられない」

グッと胸を押すとすぐに雅くん離れた

雅くんは何も言わない

この沈黙が辛い、私を責めているかのような気がした

「…だよね、分かってた」

顔を上げると彼は悲しげに笑っていて、その笑顔を見るとまた辛くなった

バカだ、私…きっと雅くんは私のことすきじゃなくても来てくれていたのに

優しい彼を信じれなかった私が一番最低だ

そんな私の心情を察したかのように彼は優しく笑う

「澪…また一緒にいられる日が来るよう願っててね。また澪に信頼されるようになったら会いに行くから」

諦めが悪いんだ、と笑う彼のその笑顔はいつもの彼

「…うん、待ってるね」

そんな彼の笑みが今の私には眩しすぎた

本当にっ…ごめんなさいっ…

今思えば、彼は私に暴力も、冷たい言葉も吐かなかった

きっと彼が一番、あの中で私を信じてくれていたのに

ボロボロと泣く私に彼は私が泣き止むまで雨に濡れながら傘を差して待ってくれた