元姫に溺れるほどの愛を


さいてーすぎ私。こんなだから嫌われるんだよ

泣きながら自嘲する

「俺がもらいます」

と、そんな言葉が聞こえた

その言葉にその場が静まりかえる

「今のあんたに澪さんは渡せない」

グイッと腕を引っ張ってくるのでそのまま立ち上がると私より少し高い冬真くんを見つめる

どういうこと…?

そんな表情をしている私に冬真くんはハンカチを貸してくれる

あ…泣き顔、見られた

悲しいという感情の中に少し恥ずかしいという気持ちも混ざってしまい俯くと視界が変わった

「失礼しますね」

「へっ…!」

思わず冬真くんの首に腕を回す

冬真くんに抱きかかえられた私は目の前の顔の近さに驚く

「澪さん行こ」

「えっ?」

そのまま歩き出す冬真くんは私をしっかりと抱えてくれた

「おいっ…」

何人かが私と冬真くんを止めようと声を掛けるが冬真くんが睨み付けると黙る

皆が私と冬真くんを見る

怖い

まだ睨まれているのかと思うと自然と震えた