去年は、さらっと過ぎた誕生日も今年はどうやら、違うらしい。


「春〜、あさってだよね。」


秋は書類をかたずけながら、春の方に顔をあげて。


「ん?何が?」


ふぬけな顔で答える私。


「春の誕生日じゃん。」


「すっかり忘れてたぁ。



「ちぃーすっ。」


夏が営業から帰ってきた。

「そうそう、秋、あれ、いった?」


「まだだよー。」


「えっ、何?」


「夏の提案で、みんなでその日はご飯いこうって!」

「どうせ、おまえ、彼氏もいないんだしさ、俺らがお祝いしてやっから。」


「夏、彼氏いないは、よけいだよ。」


「ほんとっ、たしかに、私、彼氏いないけど〜
お祝いしてもらっちゃおうかな?」