「おい、こっち来いよ!一緒に飯食おうぜ!」

誘ってくれたので、友人の家族に混じりご飯を食べました。基本的に友人が喋り、家族が嬉しそうに相槌を打つだけでした。

私も合わせて沢山話をしました。一緒にリレーで走ったのだ、と。騎馬戦はこのような作戦を立てたのだと。


私の話にも笑顔で聞いてくれます。穏やかな空気でした。和やかな家族でした。

温かでした。ただ、私の前では常にカッコつけている様な友人が家族に揶揄われた際に見せた少し甘えるような表情を見て、たまらなくなりました。


そのたまらなさが、羨ましさなのか憎らしさなのかは分かりませんでした。ただ確かなことは私はそんな表情をしたことはないのだろうということです。

なぜなら私には、そんな風に甘えられる存在などは居ないのですから。