ひと駅分の彼氏

「いただきまぁす!」


大きな口を開けて、大きなお団子を1つ一気に口に入れた。


口の中はパンパンになるくらいの大きさだけれど、噛むと美味しさが口いっぱいに広がっていく。


「うん! 美味しい!」


4つついたお団子を真琴と交互に食べていくと、あっという間になくなってしまった。


「へぇ、屋台の団子でも結構うまいな」


「だよね!? よし、もう1本買いに行こう!」


「え、また下に行くのか?」


「今度は桜を見上げながら食べるの! ほら、早く行くよ!」


上から見下ろす桜は最高だったけれど、私の頭の中はお団子でいっぱいになってしまって、結局あの大きなお団子を3本も食べてしまったのだ。