ひと駅分の彼氏

☆☆☆

去年の春。


私と真琴は城跡のある観光地へ向かったんだ。


「桜が満開だね!」


その城跡では千本の桜が植えられていて、春になると沢山の露天が並び、観光客が賑わい始める。


ソースのいい香りがする焼きそばの屋台を通り過ぎ、甘い香りのするクレープの屋台を通り過ぎ、その先にあるお団子屋の屋台で私は足を止めた。


「買うのか?」


「うん! 1本だけね」


花見を言えばお団子は欠かせない。


城跡を一番上まで上がるとベンチがあるから、そこに座って桜を見下ろしながら食べるつもりだった。


「はい、お嬢ちゃんお団子お待ち! サービスで一個多くさしておいたからね」


サンプルのお団子は大きなのが3つついているが、手渡されたお団子は4つついている。


「ありがとう!」