ひと駅分の彼氏

☆☆☆

この日家に戻ってきた私はすぐに勉強机に向かった。


乱雑に散らばっている辞書を片付け、溜まっているホコリを拭いてテキストを開く。


大学受験に向けての勉強はしばらくおろそかにしていたから、最初からやり直しだ。


気合を入れて赤本を開く。


そこには最初の頃自分で罫線を引いていて、今回はそれが役立った。


大切な部分だけ読み直していくと、1度覚えていたことが蘇ってくる。


今度は絶対に忘れない。


真琴が一緒にいてくれれば、私はなんだってできるんだから。


それに、私がここで大学に落ちたらきっと真琴は笑うだろう。


なにしてんだよって、呆れるかもしれない。


そうなると真琴はもう私と会ってくれなくなるかも知れない。


勉強を疎かにして受験に失敗したダメ女なんて、嫌いになるかもしれない。


自業自得だろと突き放されるかも。


そう思うと居ても立っても居られない気持ちになってしまう。


もう二度とどこにも行かないで。