ひと駅分の彼氏

体育祭の写真のほうが少しはしゃぎすぎている気はするけれど、男子も女子も同時ジャンプしたりしていて、躍動感がある。


こんなの決められないよ……。


しかし、すでにクラスメートたちの視線は期待に満ちた視線になっている。


このままなにも決めないんじゃまずい。


そう思った私はある考えが浮かんできた。


真琴ならこういうときどうするかな?


そう考えたときにすぐにひらめいたことだった。


「それじゃあ……」


私は教卓からクラスメートたちを見つめた。


「両方ともを載せるっていうのはどうですか?」


その言葉にクラス内はざわめいた。


元々卒業アルバムに載せる写真は、各クラス1枚しか選べないことになっている。


そうしないと膨大な数になってしまい、卒業アルバムが辞典ほどの分厚さになってしまう。


「広江、それはできないぞ」


今まで黙っていた担任がさすがに口を挟んできた。