ひと駅分の彼氏

自分の大好物を選んできた真琴を、さすがだと感じた。


もちろん、このおまんじゅうはおばあちゃんの大好物でもある。


それから3人はおまんじゅうを食べながら他愛のない話をした。


私と真琴は学校での出来事を話して聞かせて、おばあちゃんはお茶飲み友達の玄さんの話を聞かせてくれた。


元さんは1日に1度はこの家を訪れて、縁側でお茶を飲んでいくのだと言う。


そのお礼にと昨日は玄さんの家で取れたさつまいもを山のように置いていったらしい。


「そうだこれ、よかったら持って返ってね」


1度キッチンへ姿を消したおばあちゃんが、大きなナイロン袋いっぱいにさつまいもを入れて戻ってきた。


その量にギョッと目を見開く。


「これ、全部玄さんがくれたの?」


「そうよ。まだダンボールにいっぱいあるんだから。食べきれなくて困っているの」


さすがにおばあちゃん1人でこれだけの量を平らげることはできなさそうだ。


私達は喜んでそれを半分個にして持って帰ることにした。


「アルミホイルにくるんでグリルで焼いたらいいからね」