ひと駅分の彼氏

週に2回の委員会会議の時以外でも、話をするようになった。


真琴はクラスでも人気者で、女子たちからの人気も高い。


だから、自分とは不釣り合いだ。


たとえ互いに恋愛感情がなかったとしても、本来なら仲良くできる相手じゃない。


私はずっとそう思ってきた。


そしてある日の放課後。


委員会の会議が終わって2人で廊下を歩き、昇降口へ向かっていた時、つい本音をこぼしてしまったのだ。


私達仲良くなるのは不釣り合いだよね。と……。


そのときの真琴はすごく怒っているような、すごく悲しそうな顔をしていた。


『どうしてそんなこと言うんだよ?』


そう言って私の手を握りしめた。


男子に手を握られることなんて、きっと幼稚園のお遊戯のとき以来だった。


私はビックリしてその場に立ち止まった。


すると真琴も同じように立ち止まった。


真剣な表情で見てくるから、私は何も言えなくなってただ真琴を見つめていた。