しかし今の私にクリスマスもクリスマスツリーもネオンも関係ない。


6畳の部屋で1人単語帳をにらめっこだ。


こんな生活も大学に合格すれば終わる。


来年はきっと真琴と一緒に過ごすことができるはずだ。


今はそれを励みに頑張るしかない。


「よし、もうひと頑張りしようかな」


声に出して自分の気持を切り替える。


そして再び机に向かおうとした時、ベッドの上に放り投げていたスマホが光っている事に気がついた。


手にしてみると、つい5分前に真琴からの着信があったみたいだ。


柔らかな布団の上に置いていたからバイブ音に気が付かなかったのだ。


着信音はいつでもオフにしている。


私はベッドの端に座って誠に電話をした。


真琴はワンコール目で電話に出た。


「はやっ!」


思わず呟き、笑う。


『電話、待ってたんだ』