「…今日は、風がすごく強く吹いていて。飛ばされそうで、すごく寒くて。なのに、青さんはとなりにいなくて。居て欲しいときに、いてくれないなんて。青さんのことばっかり。青さんだけを思って、帰ってきた、の」


…そしたら、青さんがいつも履いているスニーカーが、玄関に並んでて。


青さんが、家にいてくれて「おかえり」を言ってくれるんだ。って、うれしくて。


…うれしくて…、


再度、繰り返した、その瞬間のこと。


強く強く、抱き締められている。


ただ、静かに、でも強く。


「『…居て欲しいときに、いてくれない』なんて言って、ごめんなさい…」


青さんといっしょにいられるのは、キセキ、なのに。