砂嵐のいたずら




『肩の傷…残ってしまったな。俺があの時、抵抗しなければ…』



チャールズの表情が曇った。



「大丈夫、誰も見る人いないから…あぁっ…」



チャールズは指で肩の傷痕をスーッと撫で、唇を押し当てた。



私の中に何とも言えない感覚が湧き上がる…



そう言うチャールズの均整のとれた鋼のような体にも数えきれないくらいの傷痕があった。



これは、彼のこれまでの戦いの激しさを物語っていた。





私には彼の傷ついた心そのもののような気がして、そのひとつひとつにそっと口づけた。



こんなことで彼の心を癒すことができるとは思えなかったけれど、私はこうせずにはいられなかった。



荒々しい息遣いのチャールズは目を閉じて、私の手を強く握りしめていた。