本当に癪に障るんだから!
私も追いかけようと走り出した。
慣れないパンプスでは走りにくくてなかなか追いつくことができない。
チャールズも大人げない、何もあんなに逃げることないのに…
でも、それを追いかける私はもっと大人げない…。
そう思うと、何だか追いかけるのがばからしくなって走るのを止めた。
その瞬間、
グラッ…
石畳にパンプスのヒールがはまり、バランスを崩し、尻餅をついてしまった。
「あたた…」
『マナ、大丈夫か?』
チャールズが駆け寄り、手を引いて立ち上がらせてくれた。
「ありがとう、大丈…痛っ!」