砂嵐のいたずら




『ミスター・マッキントッシュ、お待ちしておりました。』



スタッフに案内されて、中へと入って行く。



高い天井の広いホールでは弦楽器の生演奏が流れ、並べられたテーブルは全て人で埋まっていた。



私とチャールズは奥の個室へと案内された。



白を基調とした部屋なのだが、調度品ひとつをとってみても、高級感が漂っていた。



やはり庶民の私には居心地が悪い。



料理のオーダーは全てチャールズに任せ、私は落ち着きなく部屋の中を見回していた。




時計を見ると午後8時を過ぎていた。




カナダの夏はこの時間でも、まだ日が高い。




窓の外はまだ昼間のように明るかった。