「せっかくのお気に入りのネクタイ、使い物にならなくなっちゃったから、

いつか会うことができたら渡そうと思っていたの。」


そう言うと、
私は彼にラッピングされた箱を渡した。



彼は驚きと照れ臭さが入り交じったような顔をすると、



『ありがとう。

でも、私のこと、アナフィラキシーと呼ぶのはやめてもらえませんか?

私はチャールズ・マッキントッシュです。』



チャールズ・マッキントッシュ…



私はすぐさま頭の中にその名前をインプットした。



「失礼しました、ミスター・マッキントッシュ。

でも、どうしてここに?」


彼の顔に緊張感が走る。



『キミに機内でのことを…お詫びしようと思って…本当にすまなかった。』



彼は私に頭を下げた。