ヒュン! 風が砂を巻き上げ、乱暴に頬をかすめていった。 ふと、我に返ると、 彼はまだ私の手を握ったままだった。 何故? あれだけ人種差別発言していたのに、私を抱き上げたり、手を握ったりするのは… それに、アイツのこと大嫌いなのに、胸の鼓動が聞こえてしまうのではないかと思うくらいドキドキドキドキ…こんなにも速くなるのだろう… 落ち着け、心臓! しっかりしろ、マナ! 「あ、あの…手…」 何だか緊張して言葉にならない。