砂嵐のいたずら




『どれ…肩か、かなり出血してたみたいなのに、気づかなかったのか?』



ズキン!



先生に傷口を触られ、痛みで思わず顔が歪んだ。



「だからベタベタしていたのか…汗だと思っていた。」



とにかく無我夢中で自分のことなんてわからなかった。




『あの爆風で飛んできた機体の破片が当たったんだろ?』




アナフィラキシー男は乱暴に言った。



『これでよし!そろそろ食事のようだな。』



食事が運ばれ、私は堀口先生と何故かアナフィラキシー男の3人で食事をした。



『マナはER(救命救急)の看護師だったのか?

トリアージも手当ての手際も慣れているという感じがした。

おかげで私はとてもやりやすかったよ。

でも、何で看護師を辞めたんだ?』




堀口先生はもったいないといった表情で私に聞いた。