砂嵐のいたずら




私は今まで、一番大切なことに気づいていなかった。



チャールズに会うどころか、連絡先を知らなかった…




「私はアホか…。」



もう明日は帰国なんだよね…



思わず頭を抱えた。



RRRRRRR…




部屋の電話が鳴った。




「Hello?」




《マナか?》




電話の相手は上司だった。




「お疲れ様です。」




いくら時差があるとはいえ、こんな時間に何の用なの?




《マナ、もうしばらくそっちにいてもらえないか?キミのお得意様の堀口教授から知人のガイドの依頼がきたんだ。悪いが、あと1週間よろしく頼む。》




そう言うと、上司は電話を切った。