夏彦お兄ちゃんが亡くなった後、お父さんはモラハラ気質となり、お母さんをいつも怒鳴りつけていた。 ご飯の時に箸を出し忘れた時、 部屋が汚い時、 お父さんのネクタイのアイロンが不充分だった時、 いつも、お父さんはお母さんの心がボロボロになるまで責め立てた。 それでもお母さんは、泣きながら謝って箸を出し、掃除機をかけ、ネクタイにアイロンをかけていた。 とうとう、お父さんとは一緒に暮らすことをやめて、わたし達だけとなったものの、もうお母さんの病気は治すのが難しいものになってしまった。