モニカとナタリアがメニュー表とおしぼりを手渡し、一花はそれを「は〜い」と言いながら受け取っていく。その姿を見ながら、桜士はふと思った。

(まるで、四月一日先生はみんなの妹みたいだな。いや、この中で一番歳下だから間違ってはいないんだろうが……。恋愛感情を抱いている人はいないのか?)

ヨハンが自分によく噛み付いてくるのは、もしかして……、と気になってしまう。桜士が内心そんなことを考えている間にも、eagleのメンバーたちは一花に話しかける。

「一花、最近仕事はどうだ?誰かに嫌なことをされてないか?」とクラウディオ。

「夜遅くに出歩くなよ。最近、若い女性が襲われる事件が多発してるからな」とオリバー。

「今度、電子レンジ見に行くんだろ?俺も一緒に行っていいか?電子レンジ、重いだろうし」とアルフレッド。

まるで親が子どもを心配して言うような言葉ばかり、eagleのメンバーの口から飛び出している。桜士はますます気になり、何度も楽しそうに話す一花を見てしまった。