恭一郎さんが、控えめにクスッと笑う。

「もう、恭一郎さんまで、そういうこと言う」

「すいません。茜さんが可愛いからつい」

とにかく、3年生に会うために私は学園祭の準備に勤しんだ。

「では今日は、このへんでおしまいにしましょう。明日も私が相手をしたいところですが、公平に順番にさせていただきましたので」

「すいません。よろしくお願いします」

恭一郎さんは、優雅にお辞儀をして私から離れた。そうなんです。神代学園の学園祭はダンスパーティー。しかも仮面舞踏会(3年だけ仮面なし)。だからまだ9月なのに、ダンスの苦手な私だけ10月の学園祭の準備に勤しまなきゃいけないというわけなの!