「汚れちゃったよ」

「うん」

「花火も見たかった」

「うん」

「本当はすごく怖かった」

「うん」

ルカの車で流した涙とは違い、安堵の涙が溢れてくる。

「隼人と話すと安心する。だから最初に電話したの」

「うん」

「みんなと話す時に、思い出して泣かないようにしなきゃいけないし」

「うん」

私は隼人と向き合ってお礼を言った。

「ありがとう。もう大丈夫そう」

なのに、隼人があまりにも優しい顔で私を見るから、涙がポロポロ溢れてきた。

「やっぱりごめん。まだダメそう」