【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜

「あなたたち、どこの学校か知らないけど、こんなことしたらどうなるか分かってるの?」

男たちが目配せをしている。私の耳元で舌打ちする音も聞こえた。

「大事になったらやばいぞ」

「マリアから金は貰えるんだから、さっさと逃げたほうがよさそうだな」

…今、マリア…って聞こえた気がする。まさかまた?

私の考えを断ち切るように、林の向こうに投げられた私の携帯が鳴っているのが聞こえる。

「先生ー!茜ー!」

隼人の声だ。アルファの仲間とその執事たちの声もする。