【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜

「あっちです」

男に促されて着いていくと、小さな社(やしろ)の前についた。周りには誰もいない。もちろん怪我をした人もいない。

「連れてきたぜ」

男の一人が携帯で誰かと話している。

「女の浴衣も顔も泥だらけにしろって。そんでその写真を撮れって」

私はようやく状況を理解した。逃げようとした私の腕を男たちが強く掴む。手に持っていた携帯の入った巾着は、林の中に投げられてしまった。