【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜

「俺も絶対当てるから」

大輝も最後の弾を的中させて、この勝負は引き分けになった。私は動揺を隠すように、わざと大袈裟に声を上げた。

「じゃ、お互いにしてほしいことを叶えよう。私は水飴。大輝は?勝ったら言うって言ってたよね?大盛り焼きそばとか?買ってあげるから言ってみて」

「…抱きしめたい」

「え?」

「茜を抱きしめたいんだ」

思わぬ大輝の注文に、さらに動揺してせっかく買ってもらった水飴を落としてしまった。