【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜

ルカは、鏡の前にあるたくさんの化粧品の中から、私に合うものを選んでメイクをしてくれる。

「次はアイメイクするから目を閉じて」

私が目を閉じると、瞼を筆で優しく撫でられているのがわかる。アイラインを引いて、ビューラーでまつ毛を上げて、マスカラを塗る。

「僕を見て」

ルカに視線を合わせると、ルカが困ったような表情になった。

「茜があまりにも美しすぎて、リップを塗る手が震えるよ」

美しい人に美しいと言われて、私も答えに困ってしまう。美しいなんて今まで言われたことがない。

「できた。鏡を見てごらんよ」