伸ばしっぱなしで大した手入れもしていないし、量が多くて扱いづらいと思っていた髪を褒めてくれたのは二人目だ。最初に褒めてくれたのは隼人だった…って、なんでまた隼人が出てくるのよ!
「学園には、手入れの行き届いた巻き髪やカラーをしてる女子が多いけれど、僕は茜の自然のままの黒髪が一番好き」
鏡越しにルカと目が合った。私の考えを探るように、視線を合わせたままだ。
「何か別のこと考えてるでしょ?」
ルカに言われてドキッとする。後ろめたいことなど何もないのに。
「前髪を切ってもいいかな」
「う、うん」
「今は僕のことだけ考えていて。茜を学園で一番きれいにしてあげるから」
ルカが私の前にきて、向かい合わせに座った。前髪にする部分を櫛で選分け、指の間に挟んでハサミを入れていく。ルカと私の間を仕切るカーテンのようにあった長い髪が、チョキンチョキンと切られていくと、彫刻のように美しいルカの顔が思ったよりも近くにあって、どうしよう、息ができない。
「学園には、手入れの行き届いた巻き髪やカラーをしてる女子が多いけれど、僕は茜の自然のままの黒髪が一番好き」
鏡越しにルカと目が合った。私の考えを探るように、視線を合わせたままだ。
「何か別のこと考えてるでしょ?」
ルカに言われてドキッとする。後ろめたいことなど何もないのに。
「前髪を切ってもいいかな」
「う、うん」
「今は僕のことだけ考えていて。茜を学園で一番きれいにしてあげるから」
ルカが私の前にきて、向かい合わせに座った。前髪にする部分を櫛で選分け、指の間に挟んでハサミを入れていく。ルカと私の間を仕切るカーテンのようにあった長い髪が、チョキンチョキンと切られていくと、彫刻のように美しいルカの顔が思ったよりも近くにあって、どうしよう、息ができない。



