【④】恋風のワルツ〜見習いお嬢さまと5人のイケメン御曹司〜

え?ちょっと待って。ここで降りたらお祭りに必要なものを揃えるのは大変かも。車を降りようとした恭一郎さんの服を掴んで私は言った。

「あの…お祭りに必要なものを買いに行くんですよね。それなら駅前のショッピングモールがいいです。あっちの方がたくさん売ってますよ」

「そうなんですか?」

「はい。私が案内しますから、ついてきてください」

私は運転手さんに行き先変更を知らせた。車の中でメモ帳を広げて、買うものリストを作っていく。

「お祭りに着ていく浴衣と下駄、それから巾着と髪につけるかんざし」

数分後、駅前のショッピングモールに着いた。車から降りて、地下の駐車場からエレベーターで4階まで上がる。